モノが溢れかえる現代。新商品が発売されれば試してみたくなったり、手に入れたくなったり、とわたしたち人間のモノに対する欲求は限りがないですよね。
このように、人が新しいモノばかりを欲するのには「脳のメカニズム」に関係があるそうです。
すべての根源は「慣れ」にあった!
わたしたちが新しいモノを常に欲するのには、脳のあるメカニズムが関係しているそうです。
それは・・・「慣れ」だそうです。
この「慣れ」という脳のメカニズムによって、わたしたちは常にあたらしいモノを欲し、モノを手に入れ、その結果、モノに溢れかえってしまうのです。
どういうことかといいますと、
この「慣れ」という脳のメカニズムには、人の習性、人が物事を感じ取る仕組み、神経ネットワークが関係しているんです。
そもそも、わたしたちの神経ネットワークというものは、いろんな刺激の「差」を感じ取るようにできています。
ある刺激が、別の刺激に変化したときの「差」そのものを刺激として受け取っている
というわけですね。
刺激を感じるには「差」が重要だった!
例えば、あなたが草津温泉旅行にでも行ったとしましょう。
草津温泉といえば、50度~90度にもなる高温のお湯を水で薄めずに、この湯もみによって適温にして入浴しますが、お湯に浸かった直後は「うわ、熱っ!」って悲鳴を上げてしまうほどですが、しばらく浸かると不思議といいお湯に思えてくるんですよね。
このときわたしたちの肌は、お風呂に浸かる前の温度と、お湯に浸かったときの温度の「差」を感じ取り、「熱い」という刺激を受け取ります。
でも、この「熱い」という刺激にも次第に慣れていき、そのうちに「いいお湯加減」となるわけですね。
もし、お湯の温度が外気と変わらないほど低かったとしたら、この温度差を感じることはないでしょう。
ですから、人が刺激を刺激として、神経ネットワークで検出するためには「差」が重要というわけです。
草津温泉のお湯でいえば、お湯と外気の温度の「差」があってはじめて、わたしたちは刺激を感じ取ることができるんです。
なぜ人は新しいモノを次々に欲してしまうのか?
それは、手に入れたモノが時の経過とともに「差」がなくなり、買った時の喜びや満足感といった刺激を忘れ、慣れてしまい、そこに存在することが当たり前になることで
ついには、そのモノに「飽き」てしまうからなんです。
「差」がなくなる⇒「慣れる」⇒「飽きる」
という脳のメカニズムによって、わたしたちはさらなる刺激を得ようと、新しいモノを次々と欲してしまうわけですね。
刺激を求め続ける・・・それが人間の本質
確かに・・・わたしにも身に覚えがたくさんあります。
若い頃、お金がなくて軽自動車からはじまった車も、3年ごとに買い替えていき、気付けばもう6台目。この間、車のグレードは上がることはあっても下がることはありませんでした。
身に着ける時計も同じ。時を刻む機能に差はありませんが、見た目のかっこよさや、防水機能や、GPS機能など、常に「差」という刺激を求めて新しいモノを欲し続けていた自分がいたように思います。
物欲は尽きない、なんて言いますが、常に「刺激」を求めてしまうのもまさに人間の本質なのでしょう。
残念ながらわたしたち人間は、慣れて飽きてしまったモノには、「差」という刺激を感じることができないため、さらなる刺激を求めて
- 刺激を変える
- 刺激の量を増やす
- 刺激を大きくする
ことを考えます。これをモノに当てはめれば、
- モノを買い替える(刺激を変える)
- モノを増やす(刺激の量を増やす)
- より高価なモノを買う(刺激を大きくする)
ということです。
これが、尽きない物欲の原因であり、人が新しいモノばかりを欲する脳のメカニズムなのです。