腰椎椎間板ヘルニアの闘病記(手術編)です。わたしの実体験を通して、同じ病気で悩んでいる方たちに少しでも参考になればと思って書いています。
前回の記事では、病院の総合力とも言える、手術実績数に注目して調べたところ、認定医のいる病院が必ずしも手術実績数においても上位に位置するわけではないということがわかりました。
その時の記事はこちら。
そして、最終的にわたしは「岩井整形外科内科病院」でヘルニア手術を受けることを決めたのですが、どうして岩井整形外科内科病院を選んだのか?について書いてみたいと思います。
岩井整形外科内科病院について
岩井整形外科内科病院について、簡単にご紹介をしておきたいと思います。
名称:医療法人財団 岩井医療財団 岩井整形外科内科病院
HP:http://www.iwai.com/iwai-seikei/
場所:〒133-0056 東京都江戸川区南小岩8-17-2
最寄り駅:JR小岩駅(徒歩5分程度)
病床数:60床
特徴:DCP対象病院におけるヘルニア手術実績において、全国ランキング1位
となっています。
岩井医療財団は、「岩井整形外科内科病院」と「稲波脊椎・関節病院」の2つあり、どちらの病院でもヘルニア手術を受けることができます。
岩井整形外科が本院で、稲波脊椎・関節病院がのちに品川にできた新しい病院となっています。
岩井整形外科を選んだ5つの理由
認定医が在籍している
2つの学会(日本整形外科学会、日本内視鏡外科学会)が認定する「認定医」の有資格者が2名在籍していたこと。
わたしが重要視したのは、やっぱり信頼できる経験豊富な医師に手術をしてもらいたかったことです。
人生初の入院、手術となるわけですし、全身麻酔のもと、カラダにメスを入れるわけですから、正直怖くて怖くて仕方ありませんでした。
そんな手術をお願いするからには、信頼できる経験豊富な医師にお願いしたいと思うのはみな同じだと思います。
何の知識も人脈もないわたしのような人間が、信頼できる経験豊富な医師を探そうと思ったとき、2つの学会(日本整形外科学会、日本内視鏡外科学会)が認定している「認定医」という制度は、ひとつの大きな基準になりました。
認定医については、こちらの記事で詳しく書いています。
そして、岩井整形外科には、日本内視鏡外科学会の技術認定取得者が2名在籍していることが調べてみてわかりました。
全国にわずか15人しかいない技術認定取得者が、この病院には2人もいることにとても心強く感じました。
2名の医師はいずれも、この技術認定取得者であると同時に、日本整形外科学会認定脊椎内視鏡下手術・技術認定医でもあります。
もちろん、この病院に行けば100%認定医の手術を受けられるという保証はありませんが、万が一なにかあったとしても、認定医がいる病院ということだけでも安心できると思いました。
病院のヘルニア手術実績が豊富
病院の総合力ともいえる、ヘルニア手術の実績が豊富で、DCP対象病院の全国ランキングでも1位だったこと。
DCP対象病院におけるヘルニア手術件数を調べてみると、認定医のいる病院が必ずしも上位にランキングされているわけではありませんでした。
にもかかわらず、岩井整形外科は、全国にわずか15名しかいない日本内視鏡外科学会の技術認定取得者が2名在籍し、かつヘルニア手術件数も全国1位となっていました。
しかも、2位以下の病院を圧倒する手術件数だったんです。
手術件数だけに注目してしまうと、極端なことをいえば、100人の医師がいる病院と、1人しかいない病院では当然手術件数に大きく差が開きますよね?
確かに、岩井整形外科(稲波脊椎・関節病院含む)には常勤で手術可能な医師が12名(2016年8月現在)いることが病院のホームページからわかりましたが、それでもDCP対象病院における、2014年度(平成26年度)の病院別椎間板変性、ヘルニアの治療実績において、2位の島田病院(大阪)の約2倍の手術件数となっていました。
No. | 地域 | 病院名 | 手術件数 |
---|---|---|---|
1 | 東京都 | 医療法人財団 岩井医療財団 岩井整形外科内科病院 | 662 |
2 | 大阪府 | 医療法人永広会 島田病院 | 320 |
3 | 新潟県 | 新潟中央病院 | 181 |
4 | 愛知県 | 医療法人蜂友会 はちや整形外科病院 | 174 |
5 | 神奈川県 | 日本鋼管病院 | 155 |
6 | 福岡県 | 北九州市立医療センター | 116 |
7 | 長崎県 | 長崎労災病院 | 108 |
8 | 富山県 | 医療法人社団整志会 沢田記念高岡整志会病院 | 104 |
9 | 香川県 | 高松赤十字病院 | 102 |
10 | 岡山県 | 独立行政法人国立病院機構 岡山医療センター | 99 |
この数字からも、岩井整形外科が椎間板ヘルニアの内視鏡下椎間板摘出(切除)術において、全国レベルにおいても相当の実績のある病院だとわかりました。
病院施設が希望の立地にあったこと
東京都内(最寄り駅:JR小岩駅)に病院施設があり、自宅から通いやすい立地にあったこと。
名医と呼ばれる医師に手術をしてもらいたいと思うのは、患者であれば皆同じだと思います。
でも、腰痛患者にとって“移動する”ということは相当の困難を伴います。ある程度動ける状態であれば、電車や車などを使って目当ての病院に行くこともできるでしょうが、当時のわたしの場合はせいぜい5分程度しか歩けず、電車での移動はほぼ無理でした。
そこで、嫁さんの運転する車で移動できる範囲、関東近郊の病院を探していました。
そんななか見つけた岩井整形外科病院は、東京都内にあり、自宅から車で移動しても1.5時間圏内となっていたこともひとつの決め手となりました。
入院となれば、見舞いや身の周りの世話など家族にもいろいろと負担を強いることになりますから、自宅に近いに越したことはないですよね。
東京都内には他にも素晴らしい病院がありますが、まともに歩くことすらできなかったわたしにとって、1.5時間を越える移動距離は途方もないくらい遠い場所に感じていたので、岩井整形外科病院は移動できるギリギリの範囲に立地していたことは、とてもラッキーだったのかもしれません。
実は病院選びにおいて、最後まで迷ったのが、愛知県にある「愛知腰痛オペクリニック」だったんです。
以前NHKで放送された「低侵襲手術の名医たち」という番組で、この病院が紹介されていたんですね。
実家が愛知県だったこともあって、自分に何かあった時でも家族や兄弟が近くにいるので、その点でも安心できると思ったからでした。
でも当時のわたしは、5分間すら自分の足で歩くことができず、新幹線や在来線を乗り継いで移動することもとうてい困難な状態だったので、愛知腰痛オペクリニックは諦めることにしたんです。
保険適用の手術が受けられること
岩井整形外科病院が、MED(内視鏡下腰椎椎間板摘出術)を保険適用で受けることができる病院だったこと。
わたしがヘルニアの手術を受けるにあたって、手術方法として考えていたのは、MEDと呼ばれる内視鏡下腰椎椎間板摘出術でした。
他にもPELDと呼ばれる、経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘出術という手術方法がありますが、MEDと比べてより低侵襲(傷口が小さい)であるというメリットがある反面、より高度な技術が求められるそうで、手術技能に長けた医師がまだ少なかったり、病院によっては保険がきかないこともあります。
岩井整形外科では、MEDもPELDも保険がきくかたちで手術を受けることができるため、手術費用という面でも安心できました。
ちなみに、病院選びで最後まで迷った愛知腰痛クリニックは、PELDを中心とした最先端の手術が受けられる病院というメリットがある反面、保険がきかない手術となり、最低でも60〜70万円はかかるようです。
いい手術を受けられるのなら、お金に糸目はつけない!
そんな気持ちもありましたが、移動することもままならない当時のわたしでしたから、愛知腰痛オペクリニックは諦めることにしました。
皆さんご存知のとおり、我が国には高額療養費制度があるため、保険適用の手術であれば、自己負担額は最小限に抑えることができます。
会社を休職することによって、収入源のない状態だったわたしにとって、この高額療養費制度はとてもありがたい制度でした。
まさか自分がこの制度を使うようなことになるとは思ってもいませんでしたが、やはりこの制度を使えるか使えないかでは大きな差があります。
岩井整形外科では、MEDもPELDもどちらの手術においても保険が適用され、高額療養費制度が使えることは、もし万が一手術したあとの入院生活が長引いたりしても安心できると思いました。
手術までの期間が短かったこと
遅くてもひと月以内に手術が受けられること。
手術を極端に怖がっていたわたしでしたが、一度手術をする覚悟を決めると、今度は1日も早くこの痛みから逃れたいと、すぐにでも手術を受けたいと思うようになりました。
それまで行ってきた保存療法に限界を感じ、手術に一途の望みを託していたんでしょう。
でも、希望の医師に手術をしてもらうには、場合によっては数ヶ月以上待たされることもあるかもしれません。
そんななか、岩井整形外科では、およそ1ヶ月以内に手術日程が確定するとホームページに書かれていました。
実際には、認定医の医師など、執刀医を指名するとなれば、さすがに1ヶ月以内の手術は無理なのかもしれませんが、それ以外の医師であれば、ほぼ1ヶ月以内に手術を受けることができるようです。
認定医以外の医師であっても、そこは手術実績ランキング全国1位の病院ですから、どの医師もじゅうぶんな手術経験を積んでいらっしゃることでしょうし、看護師をはじめとするスタッフの方々も高いスキルや経験値をお持ちでいらっしゃることでしょう。
わたしの場合、実際に初回診療を受診し、その日のうちに手術日が確定しました。なんと5日後に入院、7日後に手術というスケジュールでしたから、驚くほど早かったですね。
まとめ
全身麻酔を伴うような手術というのは、一生のうち何度も経験するようなものではないでしょう。
手術を経験することなく、100歳まで生きる人もいれば、50歳までに何度も手術を経験しなければならない人もいらっしゃることでしょう。
わたしがこの先どれだけ生きることができるのかはわかりませんが、一生に一度っきりの手術となるかもしれません。(そうであって欲しいと願うばかりですが・・・)
そんな手術だからこそ、失敗は当然したくないし、手術をしてもらう側として病院や医師を選ぶにあたって、絶対後悔なんかしたくありません。
そんなわたしが病院選び、医師選びとして5つの選んだ理由をお話ししてきましたが、この選び方が正解だったのか、そうでないか、の判断をするのも難しいと思います。
選ぶ基準は人それぞれ違って当然だとは思いますが、わたしがこうして病院を選んだ理由が、同じ腰椎椎間板ヘルニアで苦しみ、手術を受けようかどうか悩んでいる人の参考に少しでもなれば幸いです。