ぷちミニマリストを目指して、55の捨てる方法を1つ1つ検証し、実践していくドキュメンタリー企画の第12回目です。
捨てる方法
人の目線のためにあるモノは捨てる
人がモノを持つ理由のひとつには、
モノを通して人に「自分の価値」を伝えたい
という欲求だといいます。
自分が「仕事のデキるビジネスマンだ」と人に思われたければ、サイズのあったタイトで落ち着いた色合いのスーツを着ることで、相手に伝えることができるでしょう。
また、オシャレは足元からといいますから、しっかりと手入れした革靴を履くことでも、几帳面な性格であることを間接的にアピールでき、仕事もしっかりとやり遂げる人物像を伝えることができるかもしれません。
ある程度豊かな生活水準を手に入れた人の多くは、このようにモノを通して「自分の価値」を伝えようとするものです。
お気に入りの家具に囲まれた生活、外車や高級腕時計、ブランド服やバッグなども、自分の価値を伝えるひとつの手段として使っているわけです。
それって、本当にあなたの価値を伝えるモノ?
本当に自分が好きで持っているモノや、自分の価値を間接的に伝えたいがために持っているモノであれば、それらのモノは「価値あるモノ」と言えるでしょう。
でも、もし自分が他人からどう見られているのか気になって、いわゆる「見栄」だけのために持っているモノだとしたら・・・
それは「自分の価値を伝えるモノ」ではなくなり、必要のないモノ、ムダなモノとなってしまうのです。
そういったモノは、維持したり管理したりすることにお金や労力を消耗していくだけで、すぐに飽きてしまい、やがて不要なモノとなることでしょう。
もしあなたの身の回りにモノが溢れかえっているとしたら・・・あなたの見栄がそうさせたのかもしれません。
見栄を張るため、つまり人の目線を気にして手に入れたモノは、やがて使うことに喜びも感じさせてくれない不要なモノとなり、モノが増え続ける原因となってしまうのです。
そういったモノこそ、積極的に捨てるべきなんです。
あなたが持つべきモノとは、
- 使うことであなたに喜びを与えてくれるモノ
- 自分が本当に好きなモノ
- 自分の価値を伝えてくれるモノ
なのです。
今回のポイント
片づけコンサルタントのこんまりこと、近藤麻理恵さんの著書『人生がときめく片づけの魔法』(サンマーク出版)にも書かれている“ときめく”という魔法のことばを使うと簡単に判断できることでしょう。
あなたに喜びを与えてくれるモノ、本当に自分が好きなモノ、自分の価値を伝えてくれるモノであるか、そうでないかを見分けるには、そのモノに対してときめくかどうかで判断できる。
実践したこと
わたしにとって“ときめく”モノ。それはオーダーシャツです。
今ではスーツもすべてオーダーするようになりましたが、もともとオーダーメイドにはまったのは、オーダーシャツがきっかけでもありました。
わたしの価値観を変えたディーラー営業マン
30代前半に外国車を買おうとディーラーを訪れたところ、接客してくれた営業マンがわたしよりも5歳ほど年下の男性でした。
彼は若いのにもかかわらず、身だしなみがしっかりしていて、スーツもシャツも自分の体格にぴったり合ったものでした。
何度かやり取りをする中で、
「若いのに身なりがしっかりしてるね」
と褒めると、彼は
「高級車を売る立場の人間としてそれにふさわしい格好をしているだけですよ」
と答えたんです。
当時のわたしも彼と同じように営業職をしていたのですが、スーツやシャツは紳士服を扱う大型量販店で、いわゆる“吊るし”といわれるスーツや既製品のシャツを購入していました。
平均的な体型だったこともあり、量販店のスーツでもサイズが著しく合わないなんてこともなかったし、じゅうぶん満足していたつもりでした。
でも、彼のことばを聞いたとき、自分が当時仕事で扱っていた商材も決して安いものではなかったので、高級車を売る彼と同じように、自分の売る商材にふさわしい格好をすべきではないか、と思ったんです。
それで、まずは価格もそれほど高くない、パターンオーダーシャツを作ってみることにしたんです。
オーダーシャツを作ってみてはじめてわかったこと
実際に作ってみると、パターンオーダーといえども、シャツの素材や色、袖や襟もと、胸ポケットの形、ウエストの絞り具合など、選ぶ項目はたくさんあり、それこそ何百パターンにもなります。
体の各部位のサイズも実際に測ってみると、左右の腕の長さにも差があることがわかり、袖の長さも数センチ単位で変えて作ることに。それから2週間後・・・
できあがったシャツを着てみて、衝撃が走りました。
これまでの量販店のシャツには感じることのなかった、このフィット感!
からだにフィットしたシャツを着ていると、シャツが無駄にダボつくこともありませんから、背筋もピッと伸びて、胸を張る感じに、自然と姿勢がなるんですよ。
これがほんと不思議!
猫背ぎみの姿勢も治り、見た目も若く見えるようです。
何よりも自分に自信が持てるようになり、行動までも変わってくるんです。
オーダシャツを作ってみて、見た目以上に自分が内面からも変わっていることにあらためて気づかされたんです。
それ以来、シャツだけでなく、スーツもオーダーメイドするようになり、靴やカバン、カフスなどの小物にいたるまで、決してブランドだけにこだわった高いモノじゃなく、自分の価値を上手に伝えてくれそうなモノにこだわって選んでいます。
30歳を超えたらオーダーシャツデビューしよう!
あなたがもし、30歳を超え、中堅社員として本格的なキャリアを築いていくなかにいるのなら、ぜひオーダーシャツに挑戦してみてください!
既製品では決して得られなかった、あなたの新しい価値を伝えてくれる、素晴らしいモノとなることでしょう。
「でも、オーダーメイドは敷居が高そう・・・」
なんて抵抗感があるのなら、ネットでオーダーメイドすることもできます。
老舗テーラー(紳士服の仕立て屋)となると、フルオーダーメイドしかやっていないお店もあるので、まずは手軽にはじめられて、コストパフォーマンスも高いネットショップが便利です。
わたしのおススメが、有限会社バルケッタの「スタイルオーダー」です。
本格的なオーダーシャツが1着5,900円~作ることができます。
老舗テーラーですと通常2~3万はかかりますから、オーダーシャツの入門編としても最適です。
ここのオーダーシャツの気に入っているところは、
- 本場イタリア仕様のデザインを取り入れており、オシャレなシルエットであること
- 生地の色だけでなく、番手(糸の細さ)も選べ、カジュアルシャツからドレスシャツまで幅広く選べる
- イニシャルの刺繍を肩だけでなく、袖部分にも入れることが可能
- 胸ポケットのない、他にはないスタイリッシュなデザインも選べる
- きれいなクビレ、シルエットを作ってくれる
- ボタンやボタンホール、AMFステッチやクレリックなど、細かいオーダができるため、世界で一枚の自分だけのシャツが作れる
などです。
わたしはイニシャル刺繍を袖部分に斜めに入れているんですが、これに対応してくれるオーダーシャツ屋さんはめったにありません。
たいていは肩部分に入れるくらいです。
肩部分の刺繍は昔からあり、珍しくありませんが、袖口に刺繍は人目につきやすく、とにかく珍しいんですよね。
袖口にピンクの刺繍糸でイニシャルを入れれば、
「あっ、ピンクのイニシャルですね!かわいくてお洒落ですね~」
なんて女性の目にも止まります。
やっぱり男たるもの、ビジネスの中にも多少の遊び心は欲しいですからね。
一度採寸してしまえば、採寸データは保管してくれますので、追加オーダーするのも簡単です。
ビジネスの商談における勝負服として、ぜひオーダーシャツをあなたも作ってみてはいかがでしょうか?